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道化師は微笑う。

TOA中心二次創作サイト。

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『知らぬは~』過去編④


世界から預言は消える。
まだ完全ではないが、地上のローレライが地核のローレライをすべて吸収するころには預言は完全に消滅するだろう。
ヴァン(ラスボス)の存在意義も消滅した、はずだった。しかしヴァンの歩みが止まることはなかった。
「預言とローレライを消滅させるためにレプリカ世界を構築する」というのは所詮大義名分でしかなかったということか。ヴァンが何もしなくても近い将来、預言も地核のローレライ―――この世界のヴァンに影響を与えたローレライは地核のローレライであって、地上のローレライはヴァンの復讐相手ではない、と認識しているのは現在起こっていること、これから起ころうとしていることを正しく理解しているモノだけである―――も消滅するというのに、ヴァンはまだ「預言の消滅」に拘っている。
結局、ヴァンは世界に復讐したいだけなのだろう。
かつて「人は変われる」という事実を頑なに拒み続けた姿を思い出せばそれも自ずと知れるものである。
ならば大層な理想など掲げずに「自分に故郷を滅ぼさせた国に、国にホド消滅を示唆した預言に、預言に従って生きることを望む人間に、復讐したいのだ」と本音を言えばよい。しかしそれでは誰も自分に付いてこないとわかっているから、本音を隠して言葉を飾る。それでは耳障りのいい言葉で人々を導く預言と大差ないではないか。
それは違うのだと、ルークは哀しげに呟く。
「師匠(せんせい)が消したいと願っているのは、星の記憶・・・・・・ユリアの預言(スコア)だったんだ」
人々に預言が詠めなくなった理由を知る術はない。そのため大部分の人間は預言が再び詠めるようになる日が来ると信じていたし、ローレライ教団関係者や無能と化した預言士は預言を求める人々に詰め寄られ大変なことになっていた。
今まで預言に頼りきっていた人間たちが簡単にその習性から抜けられるはずもなく、詠めなくなる前に詠まれた預言には嬉々として従っていた。預言通りに過ごしていれば、再び預言を得ることができるはずだ、と。その信頼はどこから来るものなのか。その最たるモノがユリアの預言だったのだ。預言が詠めなくなっても、いや新たな預言が詠まれないからこそ人々はユリアの預言に縋ろうとする。ヴァンが消滅を願ったユリアの預言はまだ生きているのである。
「そのために被験者(オリジナル)を滅ぼそうとした、ってことか」
「俺達は被験者の消滅以外にもユリアの預言を回避する方法があるって知っているけど、師匠はそれを知らないから」
ユリアの預言を消すことができないから、預言に従う人間の方を消すことにした。
奴は本末転倒という言葉を知っているのだろうか? 自分がしようとしていることは個人的な復讐ではなく世界存続のために必要なことだと、思い込みたいだけの詭弁じゃないか。
アッシュは「ヴァンは人間や世界に復讐したいだけなのだ」と結論付けたが、ルークの中にはまだ「大好きな師匠」のまま居座り続けるヴァンがいる。それを忌々しく思いながら、ヴァンを擁護しようとする言葉を聞きたくなくて、その言葉を飲み込んだ。



【ご都合主義な捏造設定その2】
ってことで、ローレライが無茶やった結果生じた問題をここで一度整理しておこう。つまりルーク誕生と時を同じくして第七音素が減少したことに伴い発生した問題のことだ。ついでにお気楽ローレライによる何でもありな解決(されていないかもしれない)方法(ご都合主義で申し訳ないが、今回はギャグなので何でもありな方向で)も併せて明記しておく。
預言は第七音素の減少に伴い、数年以内に完全に消滅することが予想される。元々消滅させるつもりだったので問題はない。ローレライは人々が混乱するとかそういうことを危惧するような性格ではなし、ルークはそこまで頭が回らない。アッシュは確信犯(立派な為政者を目指していたアッシュはどこへ行ってしまったのだろう)である。ただし現時点では数年以内に預言を詠める人間がほぼ皆無になることを予想できているモノはいない。
治癒術はローレライ解放後には使えなくなるので、それが十年程早まったところで問題はないはず。むしろ十年早く譜術に依らない医療の研究が始まるのは望ましい。なんてことまでローレライは考えていないと思うが・・・・・・。逸早く治癒術に見切りをつけた医師などが研究を開始するだろう・・・・・・たぶん。ちなみにアッシュとルークは普通に使える。第七音素を無尽蔵に使えるので威力は普通以上かもしれない。第七音素を使えるのが自分たちだけだとわかった時点で、二人とも治癒術を学ぶのだが、性格的なこともあってルークの方が治癒士としての実力はアッシュよりも上。
生体レプリカは七音素がないので作れないはず。でもレプリカイオンたちには登場してもらいたいので、その辺はローレライ選に依る「みんな」に含まれたってことで例外。レプリカイオンたちはきっと誕生するだろう。地上から第七音素が少なくなると、第七音素のみで構成されているレプリカたちは乖離しやすくなるのではという危惧があるが、何でもできるローレライがどうにかしたということで、普通にしている分には音素乖離のことを心配する必要はない。



【ご都合主義な大爆発の捏造解釈と回避方法】
大爆発(ビッグ・バン)とは? アッシュを構成する音素は乖離しフォンスロットを通じルークに流れ込む。ルークを構成する第七音素も徐々に乖離しているが、アッシュの音素で補っているので表面上は異常なし。ルークの身体で元々ルークが持っていた音素よりアッシュから受け取った音素が多くなった時点で大爆発が始まる。アッシュの音素がルークの音素の大部分を追い出し、最終的にルークの意識は記憶のみを残して消滅。アッシュの意識はルークの身体で目覚める。
フォンスロットを繋がなければいいのだが、便利連絡網が使えないという状況は二人にとって容認できることではなかった。そこで間にローレライが入ることでアッシュを構成する音素がルークに流れることを回避。ルークの音素乖離は避けられないが乖離した分はローレライが補充。多少アッシュの音素が入り込んだとしてもルークの音素を上回ることはないので大爆発は起こらない。しかし便利連絡網での会話の内容はローレライに筒抜け。当然アッシュは大反発した。どんな聞かれたくない話をするつもりだったのだろう。ローレライの計らい―――ルークが喜びそうだと思ったらしい―――で回線は頭痛なしの双方向となった。通常は送る側と受け取る側が了承して初めて繋がる回線だったが、ルークの方には遮断する理由がほとんどない上に、拒否権なしだったかつての癖で常にオープン状態。アッシュの方は普段アッシュの意思で閉じたり開いたりしているのだが、強い感情などでは閉じ切れなくて筒抜けになってしまう。強い感情はルークには聞かせたくないこと?(アッシュってばどんなこと考える気なんでしょう。まぁツンデレだから。心中はデレデレ?) ローレライの教育的配慮によりルークに聞かせたくない思考を遮断してくれるというので、アッシュは渋々了承する。しかし取捨選択がローレライだということを失念したのはアッシュにとって致命的だった。



ルークはアッシュに居場所を返したかった。
「アッシュはバチカルに戻ってくれ。俺がヴァン師匠とダアトに行く」
今の自分ならアッシュのふりぐらいできると思うから、とルークは自分たちが入れ替わる―――入れ替わりの入れ替わりなので、入れ替わってないということになる―――ことを提案した。
アッシュはルークと共にいることを望んだ。バチカルでもダアトでもない場所で二人きりで暮らしたい、と思っていたのだ。見た目が十歳児であることは失念しているようである。
「それでは遊べないではないか」とローレライが駄々をこねた。それでも「どうしてもバチカルとダアト以外の場所がいいというのであれば、我も共に行こう」と妥協した。ローレライ的には妥協であってもアッシュ的には嫌がらせでしかない。
アッシュは「光球連れでは目立つ」とかなんとか、とにかくローレライを諦めさせようと頑張った。
そこでローレライはアッシュとルークを足して二で割って(も同じだと思うのだけれど)少し年をとらせて二十代後半か三十代前半ぐらいの青年の姿を作り出した。
「おまえたちのその形(なり)では保護者が必要だからな。どうだ? 親子か年の離れた兄弟に見えるだろう」
珍しくローレライがまともだ。言っていることは正しいのだが、本音は混ざりたかっただけだろう。
ルークはちょっと面白そうだと思った。アッシュはルークと二人きりが良かったのだが、ルークが嬉しそうだからまぁいいか、と流されそうになった。
しかしそれをしてしまっては色々問題があるのではないだろうか、と。最初に気付いたのは誰だったのか。
結局、かつてと同様にアッシュはダアト、ルークはバチカルということになった。
二人揃ってバチカルに帰ってしまっては、キムラスカが混乱するし、ヴァンを野放しにするわけにはいかなかったからだ。
「今のうちに殺(や)ってしまうか」というアッシュの提案は、「師匠を倒さなくたって世界を救うことはできるはずだ」というルークと、「それでは遊べないではないか」というローレライにより却下された。
ルークの希望した入れ替わりの入れ替わりは、アッシュが却下した。あんな殺伐とした場所、殺伐とした仕事などルーク相応しくはない。ファブレ公爵家はたとえルークを閉じ込めておくための箱庭であったとしても、いやだからこそ安全だけは保証されていたので、アッシュとしては自分が傍にいられない間はファブレ公爵家でおとなしくしていて欲しいと望んだのだ。望まれたっておとなしくしているようなルークではないということをアッシュはすっかり失念していた。



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