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道化師は微笑う。

TOA中心二次創作サイト。

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『知らぬは~』過去編③


ローレライはルークの望みを叶えるために、ルークが作られた時に戻ったのだと語った。
「俺、そんなこと望んだか?」
ルークは首を傾げた。
それに対してローレライは平然と言い放った。
「みんなで遊びたかった」と言ったではないか、と。それは「作られた時からやり直したい」という意味ではなかったのだけれど。
ローレライを解放した時点では死んでしまったモノも多く、このままではルークの望みを叶えられないと思ったローレライは、誰も死んでいない時に戻せばいいのだと思いついたのだった。
ルークは「みんなと遊びたかった」と言った。それをローレライは「みんなで遊びたかった」に変換。もちろん確信犯である。「と」と「で」の違いは大きいのだが、ルークは気付いていない。きっと最後まで気付かないだろう。後年アッシュはこのたった一文字が物凄く大きな違いであったことを思い知らされることになるのだが、ローレライに反対しても無駄であると悟っていたし、それ以上に自身も賛成しているところもあったので放置することにしたようである。
「みんな」=「玩具」なんてことは・・・・・・。えぇ、違います。「=」ではなくて「≒」ぐらいで(苦笑) 憐れにも玩具に分類されてしまった「みんな」と悪戯仲間に分類された「みんな」がいたりだとか、両方に該当している「みんな」もいたりだとか。分類の基準はローレライの独断と偏見だった。(→ え? それってつまり管理人の・・・・・・以下略)



戻ってきた理由はわかった。
しかし目の前の存在はなんなのだろうか?
光球はローレライだと名乗った。それを疑っているわけではない。しかし、ルークが誕生した時点ではローレライは地核に閉じ込められているのではなかっただろうか?
―――もちろん閉じ込められているとも。そのローレライと我は同じであって違うものだ。おまえたちの関係と似たようなものだな。
つまりこういうことらしい。
ローレライは戻ってきた。しかしこのまま地核のローレライに戻ったらまた閉じ込められてしまう。それではルークたちと(で?)遊べないではないか。
そこでローレライは考えた。
ローレライは第七音素の意識集合体だ。第七音素は地核にあるものがすべてではない。ローレライは地上にある第七音素を集めてみた。それが今ルークたちの目の前にいるローレライである、と。
「ってことは、地核にもいるってことだよな」
―――そうなるな。
被験者(オリジナル)とレプリカのようなもの。とは言え、どちらが被験者でどちらがレプリカなのか。
この場合「レプリカは第七音素のみで構成されている」という定義には意味がない。どちらも第七音素のみで構成されているからだ。第七音素の量で言えば、地核に閉じ込められているローレライの方が現時点では上だろう。しかし知識や経験値といったものは地上のローレライの方が上だ。分が悪いのは地核のローレライの方ではないだろうか。しかしこの場に地核のローレライに同情するモノはなかった。
歴史を道に例えるのであれば、ルークの存在は舗装された道に落とされた小石。そんな小さな石でさえも蹴躓いた人に道を違えさせることは可能であった。ローレライを石に例えるならばそれはどれ程大きな石になるであろうか。それも音譜帯より落下してきた石だ。宇宙から地上に落ちた隕石のように、その落下地点には大きなクレーターができた。それこそ、そこに道があったことなどわからぬ程に。かつて道があった場所を歩むことなど叶わぬ程に。しかし道の存在を見ることのできない人は、道があったことを知らなければ、道がなくなったことも知らない。それでも人は歩みを止めることはできない。そう人は道がなくとも歩けるのだ。
約2000年の間、知らぬまに舗装された道を歩かされてきた人は、今また知らぬまに未開の荒野を歩むことになったのだった。



第二のローレライの誕生。
それは地上から第七音素が消え始めた瞬間だった。
預言士(スコアラー)や治癒士(ヒーラー)がその能力を失う日も近いだろう。今はまだ自身の体内に蓄えた第七音素や、ローレライが回収し切れなかった第七音素があったので、まったく使えないわけではない。「今日は威力が弱いなぁ。体調が悪いのだろうか?」程度にしかその変化が感じられないかもしれなかったが、そう遠くない未来には一部をのぞき全部回収できるだろう、というのがローレライの予測である。
―――まだすべてを集めきれたわけではないからな。
ローレライは言った。
今はまだ小さな意識集合体にしか過ぎない。しかしこれから自らを構成する第七音素を増やしていけば地核のローレライをも凌ぐ存在になれるはずだ、と。
地上のローレライは普段はアブソーブゲートに常駐し、第七音素が地核のローレライに戻る前に回収する予定だと語った。
「ラジエイトゲートじゃないのか?」
―――第七音素は記憶粒子が音譜帯を通過する際に発生するのでな、アブソーブゲートで回収した方が効率がいいのだ。
打倒! 地核のローレライ!(趣旨間違えています)



【ご都合主義な捏造設定】
ラジエイトゲートから吹き出された記憶粒子は音譜帯を通過しアブソーブゲートから地核に戻る。その際に新たに発生した第七音素の大部分は、同じ音素は惹かれあう性質があるので地核のローレライに引き寄せられ大部分が地核に戻ることとなる。その結果、地核のローレライは自らを構成する第七音素を増やし、その力を増大させていた。
第二のローレライが地上に誕生したことで、地上に浮遊している第七音素は第二のローレライの元に集まるため人間が自由に利用できる第七音素は減少。また地核に戻ろうとする第七音素はアブソーブゲートで第二のローレライが回収しているので、地核のローレライを構成する第七音素は徐々に減少し最終的に消滅。その分地上のローレライが強大になっていく。
それが地上のローレライの予測であり、希望であった。



偶然の産物ではあったが、パッセージリングを止めなくても、生体レプリカを大量に作って第七音素を消費しなくても、世界から人間が自由に使える第七音素は消滅することになったのだが、現時点でそのことを正しく理解できているモノはいなかった。
ローレライはただ自由を望んだだけだ。強大な力を得るために大量の第七音素を集めようとしてはいたが、それによって預言が詠めなくなるとか、治癒術の使用が不可能になるとか、そういったことまでは考えていなかった。
アッシュはローレライが第七音素を集めていると知り、ルークのことを心配しただけだった。第七音素のみで構成されているレプリカはローレライに吸収されてしまうのではないか、と。
もっともアッシュの心配対象はルークのみだった。他のレプリカについては吸収されようがされまいがどうでもいいと思っていた。しかしそう思っていることがルークに知られるのはまずいだろうとも思っていたので、顔に出したりはしない。そしてアッシュにとって都合のよいことに筒抜け思考はローレライにより遮断中だったためルークには伝わっていなかった。ローレライがアッシュの思考を遮断していた理由については後ほど改めて語るとしよう。
―――我をあまり見縊るものではないぞ、アッシュ。
ローレライは色々ご都合主義な存在だった。
音素にマーキングをしてルークを構成している音素は回収しないようにしているらしい。ついでにレプリカの身体は構造上乖離しやすいので、音素が足りなくならないよう補充までしているということだった。うっかり、いやもしかすると確信犯なのかもしれないが、補充しすぎてルークがほぼ無敵状態になっていることもあるとか、ないとか(常にオーバーリミッツ。治癒術や秘奥義バシバシ使ってもTPが減らない状態)。
ルークだけ強くなっていることを不満に思ったアッシュは、自身にも第七音素を補充するようにローレライに強請った。アッシュには強請ったという自覚はなかったのだが、同位体(愛し子)の可愛いお強請りだと受け止め、こっそり喜んだというのはローレライだけの秘密である。
これによりアッシュとルークは第七音素を無尽蔵に使えるようになった。
「何でもありだな」
好都合ではあったが、かつての苦労を思うとアッシュには手放しでは喜べないものがあった。あの時今の十分の一でもいいからローレライの助力が得られていたのであれば・・・・・・、いや今更言っても詮のないことである。それよりも今こうしてルークと共にいられることの方がアッシュには重要だった。
―――我だからな。
ちなみにルークはローレライが何をしたか半分も理解できていなかったが、ローレライが何かすごいことをやったということはわかったらしい。
「すげぇ~な~。ローレライ」
誉められたローレライは非常に嬉しそうに瞬いた。



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